チームラボ かみさまがすまう森の廃墟と遺跡 - THE NATURE OF TIME | teamLab / チームラボ

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2019.07.25(木) - 12.08(日)九州, 武雄温泉, 御船山楽園
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2019.07.25(木) - 12.08(日)九州, 武雄温泉, 御船山楽園

異なる時空が交差する場

1845年(江戸後期)に50万平米にも及ぶ敷地に創られた御船山楽園。敷地の境界線上には、日本有数の巨木である樹齢3000年以上の神木の大楠があり、庭園の中心には樹齢300年の大楠がある。そのことからわかるように、古来より大事にされてきた森の一部を、森の木々を生かしながら造った庭園であることが想像できる。庭園と自然の森との境界は曖昧で、回遊していく中でいつのまにか森に入り込んだり、けもの道に出くわしたりする。

森の中には、超自然的に積み重なった巨石の磐座(いわくら:日本に古くからある自然崇拝(アニミズム)の一種)であったであろう祠がまつられている。7世紀頃、日本独特の山岳宗教を創始した役の行者小角(えんのぎょうじゃおづぬ)が、屏風岩(びょうぶいわ)全面に彫ったとされている高さ23mの巨大な不動尊像が、御船山の岩壁にある。また、後に奈良の大仏をつくる名僧行基が、約1300年前に御船山に入山し五百羅漢を彫ったとされており、森の中の洞窟の岩壁には、行基が直接彫ったと伝えられる仏が今も残る。森の境界には、塚崎城石門という城跡などもあり、森や森の境界には、様々な遺跡が残る。

我々は、長い長い時の境界のない生命の連続性の上に危うく奇跡的に存在する。しかし、日常では、なかなかそれを知覚することが難しい。人間は、自分の人生より長い時間を認知できないのだろう。時間の連続性に対して認知の境界があるのだ。

樹齢3000年以上の木が存在する森は、全く知覚できないほどのゆっくりとした時間の流れで日々変化し、そして、それを毎年繰り返しながら、果てしない長い時間が積みあがった空間である。森や森の境界に点在する様々な時代の遺跡や、江戸時代に作られ今なお続く庭園は、また、それぞれ異なった時空を持つ。そして、庭園の中の廃墟の湯屋は、近代につくられたものが、わずかに時代が変わったことで使われなくなった、まるで時間が止まったような時空である。

様々な時空を持つ御船山楽園にある廃墟の中で、それらとはまた時空が異なる存在の作品群を創ることで、時間の連続性に対する認知の境界を超えて、様々な時空が交差し重なり合うことが認識できる場を創れるのではないかと思ったのだ。

チームラボ


グランドセイコー 協賛にこめた想い

グランドセイコーは、『THE NATURE OF TIME』をコンセプトに、日本人ならではの“時との向き合い方”を世界に発信する高級時計ブランドとしてグローバル市場で活動を行っております。このたび、その活動の一環として世界のアートシーンを牽引するチームラボの「永遠に連続する時間」をアートで表現するコンセプトに共感し当プロジェクトを応援するはこびとなりました。

グランドセイコー

アート作品

廃墟の湯屋にあるメガリス / Megaliths in the Bath House Ruins

異なる時空の塊(メガリス)が、廃墟の湯屋に群立する。
廃墟の湯屋の周辺の森は、樹齢3000年の木が存在する森で、全く知覚できないほどのゆっくりとした時間の流れで日々変化し、そして、それを毎年繰り返しながら、果てしない長い時間が積みあがった空間である。森に点在する様々な時代の遺跡や、江戸時代に作られ今なお続く庭園は、また、それぞれ異なった時空を持つ。廃墟の湯屋は、近代につくられたものが、わずかに時代が変わったことで使われなくなった、まるで時間が止まったような時空である。そして、この群立するメガリスも、また異なる時間の流れを持つ時空が圧縮された塊である。ここでは様々な時空が交差し重なり合う。

それぞれのメガリスは、付近に同じように群立するメガリスと時空が繫がっている。

作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、人々のふるまいの影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間は2度と見ることができない。

この廃墟の湯屋にあるメガリスには、以下の作品が存在する。

・花と人
1時間を通して、1年間の花々が咲いていく。花々は生まれ、咲き、散り、枯れて死んでいく。つまり、花は誕生と死滅を繰り返す。人々が近くで動きまわると花々は散っていき、じっとしていると花々は普段より多く生まれる。

・憑依する滝群
人々がメガリスに近づくと水の流れが変化していく。作品は、人々のふるまいの影響を受けながら、変容し続け、また、他の作品に影響を与える。例えば、水の流れは、「花と人」の花々を散らせ、花々を咲かせない。
水は、無数の水の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算している。そして、水の粒子の挙動によって、空間上に線を描く。その線の集合をチームラボが考える「超主観空間」によって平面化し滝を描いている。

グラフィティネイチャー - 廃墟の湯屋に住む生き物たち、レッドリスト / Graffiti Nature - Living in the Ruins of a Bathhouse, Red List

みんなが描いた様々な生き物たちが、御船山楽園内の廃墟となった湯屋に、生息している。紙に生き物の絵を描くと、描いた絵に命が吹き込まれ、目の前に現れ動き出す。 生き物たちは、他の生き物を食べたり、他の生き物に食べられたりしながら、共に1つの生態系を作っている。あなたが描いて生まれた生き物は、他の生き物を食べると増えていく。逆に、しばらく他の生き物を食べられないと死んでいなくなる。 また、他の生き物に食べられるといなくなる。
サンショウウオはヘビを食べ、ヘビはトカゲを食べ、トカゲはカエルを食べ、カエルは蝶を食べそれぞれ増えていく。また、蝶は、花が咲いている場所で増えていく。花は、人々がじっとしているとたくさん咲いていく。逆に、人々が踏んで歩き回ると散ってしまう。そしてサンショウウオは、人にたくさん踏まれると死んでしまう。
レッドリスト(Red List)とは、国際自然保護連合による、絶滅の危機を調べた生物種のデータベース。この作品には、絶滅のおそれがある生き物をはじめ、レッドリストに登録されている様々な野生生物が登場する。

EN TEA House OTORO 応灯楼

呼応するランプの森とスパイラル - ワンストローク、山の紅葉 / Forest and Spiral of Resonating Lamps - One Stroke, Autumn Mountain

近代以前、日本では「かさねのいろめ」という、表の色と裏の色の組み合わせ(当時の絹は薄かったので裏地が透けたため複雑な色彩となった)や、重なる色彩のグラデーション、織りの縦糸と横糸の組み合わせなど、複雑な色彩に、季節の色の名前がついていた。
人がランプの近くで立ち止まり、しばらくじっとしていると、最も近いランプが強く輝き音色を響かせる。そしてそのランプの光は、最も近い2つのランプに伝播する。伝播したランプの光は、それぞれ同じように強く輝き音色を響かせながら、最も近いランプに伝播し、同じように連続していく。伝播していく光は、必ず、全てのランプを1度だけ強く輝かせ、必ずはじめのランプに戻ってくる。つまり、人に呼応したランプの光は、2つに分かれ、それぞれ全てのランプを1度だけ通る1本の光のラインとなり、最後に、起点となった最初のランプで出会う。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を感じるだろう。
一見バラバラに配置されたランプは、それぞれのランプから3次元上で最も距離が近いランプに線を引いたときに、(始点と終点が同じの)一筆書きできる1本のつながった線(unicursal)になるように配置されている。ランプがこのように配置されることによって、人に呼応したランプの光は、最も近いランプに伝播しているだけにも関わらず、一筆書きのように全てのランプを必ず通り、そして必ず1度だけしか通らず、最後に、起点となった最初のランプに戻ってくる。 ランプの配置に関しては、以下のような制約を満たす空間上のランプの配置を数学的に求め、ランプの高さ方向の分布のばらつきと、3次元的な経路(光の軌跡)のなめらかさを定量化し、多数の解に対して評価を行った。
ランプの平面配置は、ランプを吊るために、均一な千鳥配置であり整然としたグリッドになっている。これが1つ目の制約となる。2つ目の制約として床と天井の高さ、人が通ることができる通路の高さと幅という物理的な空間の境界条件を設定する。そして全てのランプから、3次元上で最も近い2つのランプに線を引いたときに、起点と終点がつながったたった1本の線(unicursal)になることが3つ目の制約である。
このようなプロセスによって生まれたランプの配置は、一見ランダムのように見えるために、光の軌跡が予測できず飽きないが、実際は、物理的に一番近いものに光が連続していくため、まるで火が燃え移っているかのように自然に感じる。そして、ランプの光の軌跡は1本線でつながっているため、自分から生まれた光と、他者から生まれた光は、必ず交わる。
これは、空間が固定化されていることを前提とした静的な美しさではなく、人々がこのランプに近づくことによって生まれる動的な美しさとも言える。それは、デジタルテクノロジーによって変化そのものを自由に設計でき、人の存在による空間の変化や動きを受け入れた新しい時代の空間のありようである。 
ランプシェードは、ムラーノ・ガラス(ベネチアン・グラス)で制作した。

遺跡

マップ

来場案内

会場情報

チームラボ かみさまがすまう森の廃墟と遺跡 - THE NATURE OF TIME

会期

2019.07.25(木) - 12.08(日)

時間

11:30 - 22:00

* 御船山楽園の正門から入園(おみやげ処「おはじき」横)
* 最終入園は閉園30分前
* 御船山楽園の紅葉まつりとあわせて開催中

休み

2019.11.05 (火) - 11.07 (木)

協力

サガテレビ

お問い合せ

チケットに関して:こちらのフォームよりお問い合わせ下さい。
施設へのお問い合わせ:御船山楽園ホテル 0954-23-3131

チケットについて

* 本展覧会は、御船山楽園の「紅葉まつり」と同時に開催されます。
* 御船山楽園に入園するには、「紅葉まつり」チケット(大人600円)が必要です。
* 本展覧会をご覧いただくには、「紅葉まつり」チケットに加え、展覧会チケットが別途必要です。展覧会チケットのみでは、ご入園いただけません。
* 両チケットは会場でのみ、現金にて購入いただけます。

アクセス

住所

御船山楽園
佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
電車のご利用 ・JR博多駅より: JR九州特急にてJR武雄温泉駅(1時間10分)下車。JR武雄温泉駅からタクシー(5分)またはJRバス(8分)。 ・JR武雄温泉駅より: タクシー(5分)またはJRバス【武雄温泉駅 - 嬉野温泉行き】にて御船山楽園(8分)下車。 空港のご利用 ・長崎空港から車で40分 ・佐賀空港から車で50分 ・福岡空港から車で1時間10分 紅葉まつり駐車場および、各駐車場⇄御船山楽園の無料シャトルバスのご案内 こちらよりご確認ください。 JRをご利用のお客様へ、無料シャトルバスのご案内【土・日・祝日】 紅葉まつり期間中(2019.11.08 - 12.08)、土・日・祝日に無料シャトルバスが運行します。 区間:JR武雄温泉駅北口⇄御船山楽園 時間:08:00 - 22:00(1時間に3往復) 料金:無料(予約不要)
注意事項
・入場について
混雑状況に応じて、入場を規制させていただきます。時間に限りがありますので、予定人数を超えた場合、ご来場いただいてもご入場いただけない場合もございます。

・車椅子、ベビーカーについて
園内は自然散策路となるため、車イスやベビーカーでのアクセスが難しい作品がございます。車いすやベビーカーでは以下の作品をご鑑賞いただけます。

チームラボ かみさまがすまう森 - earth music&ecology:
「小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング」

「浮遊する呼応するランプ - ワンストローク」
「谷間の呼応する森」
「夏桜と夏もみじの呼応する森」
「生命は連続する光 - ツツジ谷」
「呼応する御船山」
「増殖する生命の巨石」
「小さきもの中にある無限の宇宙に咲く花々」
「森の中の、呼応するランプの森とスパイラル - ワンストローク」

チームラボ かみさまがすまう森の廃墟と遺跡 - THE NATURE OF TIME:
ご鑑賞いただける作品に関しては、御船山楽園ホテル(0954-23-3131)までお問合せください。

・貴重品について
貴重品は各自の責任にて管理をお願い致します。万一、盗難・紛失が発生した場合、主催者は一切責任を負いません。

・怪我について
園内で発生した事故は主催者は一切責任を負いません。

・ゴミについて
環境保全のため園内にごみ箱の用意はございません。ゴミは各自お持ち帰りくださいますようご協力ください。

・タバコについて
園内は火気厳禁となっております。全面禁煙のご協力をお願い致します。

・服装について
園内には急勾配の坂や階段、悪路がございますので、安全のため動きやすい服や靴でご来場ください。

・ペットについて
小型犬を含むペット同伴でのご入場はお断りさせていただいております。

・雨天中止について
小雨の場合は決行いたします。台風などの強風を伴う強い雨の場合は中止いたします。詳細は御船山楽園の公式HP、およびSNS(Facebook Instagram )をご確認ください。

・映像、写真撮影について
フラッシュ撮影、および園内でのドローンの使用は禁止されております。三脚の使用も、他のお客様の妨げとなりますのでお控えください。

・その他
主催者による撮影の際に、ご来場者さまが撮影の対象になる場合がございます。撮影素材は、報道、広告宣伝、プロモーションなどに使用される場合がございますので、予めご了承ください。
アーティスト
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チームラボ
アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。 チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。 チームラボの作品は、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、オーストラリア国立美術館(キャンベラ)、アモス・レックス(ヘルシンキ)、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)などに収蔵されている。 teamlab.art Biographical Documents teamLab is represented by Pace Gallery, Martin Browne Contemporary and Ikkan Art.

主催

御船山楽園・チームラボ