廃墟の湯屋にあるメガリス / Megaliths in the Bath House Ruins

teamLab, 2019, Interactive Digital Installation

廃墟の湯屋にあるメガリス / Megaliths in the Bath House Ruins

teamLab, 2019, Interactive Digital Installation

異なる時空の塊(メガリス)が、廃墟の湯屋に群立する。
廃墟の湯屋の周辺の森は、樹齢3000年の木が存在する森で、全く知覚できないほどのゆっくりとした時間の流れで日々変化し、そして、それを毎年繰り返しながら、果てしない長い時間が積みあがった空間である。森に点在する様々な時代の遺跡や、江戸時代に作られ今なお続く庭園は、また、それぞれ異なった時空を持つ。廃墟の湯屋は、近代につくられたものが、わずかに時代が変わったことで使われなくなった、まるで時間が止まったような時空である。そして、この群立するメガリスも、また異なる時間の流れを持つ時空が圧縮された塊である。ここでは様々な時空が交差し重なり合う。

それぞれのメガリスは、付近に同じように群立するメガリスと時空が繫がっている。

作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、人々のふるまいの影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間は2度と見ることができない。

この廃墟の湯屋にあるメガリスには、以下の作品が存在する。

・花と人
1時間を通して、1年間の花々が咲いていく。花々は生まれ、咲き、散り、枯れて死んでいく。つまり、花は誕生と死滅を繰り返す。人々が近くで動きまわると花々は散っていき、じっとしていると花々は普段より多く生まれる。

・憑依する滝群
人々がメガリスに近づくと水の流れが変化していく。作品は、人々のふるまいの影響を受けながら、変容し続け、また、他の作品に影響を与える。例えば、水の流れは、「花と人」の花々を散らせ、花々を咲かせない。
水は、無数の水の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算している。そして、水の粒子の挙動によって、空間上に線を描く。その線の集合をチームラボが考える「超主観空間」によって平面化し滝を描いている。