流れの中に立つ時、渦が生まれる / Existence in the Flow Creates Vortices

teamLab, 2022, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: teamLab

流れの中に立つ時、渦が生まれる / Existence in the Flow Creates Vortices

teamLab, 2022, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: teamLab

人々が流れに逆らって登る時、後ろには渦が生まれていく。

渦潮は定常しているが、うごめき続け、力強い一つの生命のように見える。
渦潮は、その存在が保たれているのにも関わらず、その渦を構成している水の粒子は、刻々と変わっている。今この瞬間の渦は、数分前の同じ渦とは、全く違う水でできているのだ。渦潮は、岩石のように、それ自体で安定した自らの構造を保っているものではなく、渦の外部から内部へ、そして内部から外部へと流れ続ける水によってつくられ、その水の流れのエネルギーによって構造が維持され続ける。
渦潮が生命に見えるのは、生命も、また同じように、外部からのエネルギーや物質を取り込み、外に出し、その流れの中で、構造を維持しているからだ。生命は、開いた世界のエネルギーの連続的な流れの中に生まれる奇跡的な渦なのだ。

水を無数の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算し、三次元上の粒子の動きをシミュレーションしている。渦は、その粒子の軌跡で線を描いている。その立体的に描かれた線の集合を、チームラボが考える「超主観空間」によって切り取っている。レンズやパースペクティブによって切り取った空間とは違い、鑑賞者は視点が固定されず、身体が自由になる。そして、渦が映し出された床や壁は、我々と作品との境界面にならず、作品空間は、人々の身体のある空間と連続する。