teamLab Phenomena Abu Dhabi | teamLab / チームラボ

メイン画像
2025.4.18(金) - 常設アブダビ, サディヤット文化地区
メイン画像
2025.4.18(金) - 常設アブダビ, サディヤット文化地区

環境が生む現象、その現象が作品の存在。その存在群に没入し、環境と一体となる。

作品は、作品自体で存在できず、環境が現象を生み、その現象が作品の存在である。

これまで人間がつくってきたものは、石ころと同じように物質によって存在がつくられ、それ自体で安定的な構造をもつ。そのようなものとは違い、環境によって作品の存在がつくられる。

環境が現象を生み、環境がその存在の構造を維持する。その存在を環境現象と呼ぼう。

存在は、これまで存在を担っていた物質から解放され、日常的にありふれた空気や水、光なども特異な環境によって現象となり、その現象が存在となるだろう。そして、その存在の境界は曖昧で連続的である。人々が作品を壊したとしても、環境が維持される限り、作品は存在が維持される。逆に、環境が維持されない時、作品は消えてなくなってしまう。人々の意識は、存在そのものから環境に広がっていくだろう。

石ころは、外界から遮断され密封された箱に入れても存在し続けるが、生命は、そのような閉じた箱に入れられると存在を維持できない。生命もまた、環境によって維持されている存在である。

生命は、開いた世界の中で、連続する流れの中の奇跡的な現象かもしれないのだ。

アート作品

質量のない太陽と闇の太陽 / Massless Suns and Dark Suns

私たちは、見ている世界を認識しているのではない。私たちは、認識している世界を見ている。
無数の光の球体群。人々が光の球体に触れようとすると、強く輝き、周辺の球体も次々と呼応し連続していく。視野を広げてじっと見ていると、闇が凝固したかのような闇の塊の球体群も現れはじめる。しかし、これらの光と闇の球体群は存在しない。闇の球体群は、カメラにすら写らない。
光の球体表面にガラスなどの物質は何もなく、この球体は光だけでできている。物質的な境界面はなく、球体と身体との境界の認識は曖昧である。しかし、この宇宙では、光は凝固せず、光だけで球体状の塊になることはない。つまり、この光の球体は存在しない。
この球体は、物理世界には存在せず、認識世界に存在する彫刻「Cognitive Sculpture / 認識上の彫刻」。マテリアルは、光と環境、そして身体と認識。体験者自らの動的な身体と認識によって形作られ、体験者自身の認識世界に出現し、存在する彫刻。認識上存在する時、それは存在である。
そして、球体はそれ自体では認識世界にすら存在できず、環境が生み出している。環境がつくる現象が、作品の存在である。存在とは何かを問う。

ARCHITECTURE

teamLab Phenomena Architecture

我々は2000年代からずっと内部と外部の境界なく美術体験ができる空間をつくり続けている。最初は小さな空間ではじまり、次第に大きな空間となり、複数の体験がつながった集合体となっていった。一貫していることは、体験を起点に空間をつくりだすということである。
その中で重要にしていることは、個人の体験の記憶が尊重されるために必要な形状とはなにかということ。例えば、だれもが共通の同じイメージを記憶しやすいものだと、同じかたちが記憶され、個人個人の独自な体験の記憶にとって邪魔であるのではないかという思いがある。
チームラボフェノメナの建築では、ある種の生物の皮膚が境界がなく、外側の皮膚と内部の臓器の膜がつながっているように、外部と内部は一体的に存在し、内部と外部の体験は境界がなく連続的で、それゆえに、ある目的をもったわかりやすいかたちがなく、1つの決まった象徴性がない。そのイメージは、雲にみえるという人もいれば、砂漠の曲線を感じる人もいて、ある人は、きのこの群れという人もいて、サーベルタイガーの骨という人もいる。1人1人の体験によりその有機的な形状は心の中に固有な像として記憶されていく。
そして、体験にとって有機的な形状であることが重要であると考えているため、チームラボ フェノメナでは内部と外部に有機的な形状を取り入れている。特に人が絶えず接触する床においては、いままで多面体しか実現できなかった床形状が今回は3次元形状での制作を実現できている。そのため、有機的な形状は、変化する視点や、身体の使い方により、視覚的な体験と同時に身体に体験が記憶されていく。身体と空間の境界が曖昧になり、身体の発見へとつながる。その身体に刻み込まれた体験が空間の記憶となり、内部から外部へと連続していき、人々の記憶の中でそれぞれの独自の像として身体を通して記憶されていくのである。そして、シームレスな有機的な空間により、部屋という概念から解放され、空間は個人と一体となりながら、全体であり細部でもある。そのことにより、場所的な概念を喪失するのである。
我々がつくる美術館は、体験を起点に構築され、体験の集合に布をかけたものが建築の外形であり、その内部と外部は境界がなく一体である。

設計:チームラボアーキテクツ

来場案内

会場情報

teamLab Phenomena Abu Dhabi

会期

2025.4.18(金) - 常設

時間

10:00 - 19:00

休み

なし

アクセス

住所

teamLab Phenomena Abu Dhabi
アブダビ、サディヤット文化地区

チケット

チケット

アーティスト
logo
チームラボ
アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。 チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。 チームラボの作品は、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、オーストラリア国立美術館(キャンベラ)、アモス・レックス(ヘルシンキ)、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)などに収蔵されている。 teamlab.art Biographical Documents teamLab is represented by Pace Gallery, Martin Browne Contemporary and Ikkan Art.

主催

アブダビ文化観光局(Department of Culture and Tourism Abu Dhabi), Miral