teamLab Phenomena Abu Dhabi | teamLab / チームラボ

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2024 竣工アブダビ, サディヤット文化地区
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2024 竣工アブダビ, サディヤット文化地区

環境が生む現象、その現象が作品の存在。その存在群に没入し、環境と一体となる。

作品は、作品自体で存在できず、環境が現象を生み、その現象が作品の存在である。

これまで人間がつくってきたものは、石ころと同じように物質によって存在がつくられ、それ自体で安定的な構造をもつ。そのようなものとは違い、環境によって作品の存在がつくられる。

環境が現象を生み、環境がその存在の構造を維持する。その存在を環境現象と呼ぼう。

存在は、これまで存在を担っていた物質から解放され、日常的にありふれた空気や水、光なども特異な環境によって現象となり、その現象が存在となるだろう。そして、その存在の境界は曖昧で連続的である。人々が作品を壊したとしても、環境が維持される限り、作品は存在が維持される。逆に、環境が維持されない時、作品は消えてなくなってしまう。人々の意識は、存在そのものから環境に広がっていくだろう。

石ころは、外界から遮断され密封された箱に入れても存在し続けるが、生命は、そのような閉じた箱に入れられると存在を維持できない。生命もまた、環境によって維持されている存在である。

生命は、開いた世界の中で、連続する流れの中の奇跡的な現象かもしれないのだ。

ARCHITECTURE

teamLab Phenomena Architecture

「teamLab Phenomena 」は、チームラボの新しいコンセプトである環境現象の一部として、特異な現象を生むそれぞれの環境を包み込む構造体として、内側からも外側からも、構築されています。

建物をデザインする際に、私たちがもっともこだわったのは、ある種の生物のありようを建築に取り入れることです。そして、有機的な形を作り出すことでした。
我々は生物にとっての内と外とはなにかを考えています。人間のような生物の場合、外部の皮膚と臓器の内側、例えば、胃袋の内側はつながっていて、そこには明確な境目がありません。内と外には境目がなくスキンとしてつながっています。そして、各臓器は、それぞれ特異な現象を生む特有の環境とも考えられます。
そこで、今回の建築においても、内部も外部も有機的なスキンで覆われている状態を目指しました。内部と外部は有機的なスキンでつながり、あたかも、皮膚と胃の内側のような関係性でそこには境目はありません。この有機的な建築は、臓器を並べてそれらをつなぎ、皮膚で覆った生物のようなものです。
外部は記号的な象徴性を持ち合わせず、雲のように朧げな、不確定なものです。不確定な形状の内と外がつながったスキンでできた建築になります。

そして、雲のように有機的で輪郭のはっきりとしない形状は、パースペクティブが把握しづらく、建築に対するスケールの意識を取り除くことができるのではないかと考えました。スケールから解放されることは、建築における象徴性から解放されることであり、それは記号としての認識から個々人の体験での認識へと変わることを意味しています。有機的で不確定なこの建物を外から見て、生物の口のようなの入口から内部に入って臓器を巡るように内部を体験したとき、自分の経験が、まるで森を彷徨い、そこが森全体か森の一部なのか、そもそも森のサイズがわからないような体験となり、個々の体験そのものがそれぞれの心の中にしかない建築の象徴となるように期待したのです。

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teamLab Phenomena Abu Dhabi

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2024 竣工

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teamLab Phenomena Abu Dhabi
アブダビ、サディヤット文化地区
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チームラボ
アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。 チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。 チームラボの作品は、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、オーストラリア国立美術館(キャンベラ)、アモス・レックス(ヘルシンキ)、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)などに収蔵されている。 teamlab.art Biographical Documents teamLab is represented by Pace Gallery, Martin Browne Contemporary and Ikkan Art.

主催

アブダビ文化観光局(Department of Culture and Tourism Abu Dhabi), Miral