チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地 | teamLab / チームラボ

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2017.11.23(木) - 2018.03.04(日)新潟, 新潟県立万代島美術館
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アート作品

花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour / Flowers and People, Cannot be Controlled but Live Together – A Whole Year per Hour

空間には複数の季節が同時に存在し、それらがゆっくりと移り変わっていく。
花々は、移り変わっていく季節に合わせて、生まれる場所がゆっくりと移り変わっていく。

花々は生まれ、成長し、つぼみをつけ、花を咲かせ、やがて散り、枯れて、死んでいく。つまり、花は誕生と死滅を、永遠に繰り返し続ける。 人々がじっとしていれば、その付近の花々は普段より多く生まれ、咲き渡る。人々が花にふれたり、踏むと、いっせいに散って死んでいく。

時に、他の作品の境界を越え、他の空間に咲きわたるが、他の作品の影響で散ったり、死滅したりする。

春、国東半島の里山に訪れた際、山の中の桜やふもとの菜の花を見ているうちに、どこまでが人が植えたものなのか、どこまでが自生している花々なのか疑問に思った。そこは多くの花に溢れ、非常に心地よい場所だった。そして、その自然が、人の営みの影響を受けた生態系であることを感じさせる。どこまでが自然で、どこからが人為的なのか、境界が極めてあいまいなのだ。つまり、自然と人間は対立した概念ではなく、心地良い自然とは、人の営みも含んだ生態系なのであろう。そして、近代とは違った、自然に対して、人間が把握したり、コントロールしたりできないという前提の自然のルールに寄り添った人の長い営みこそが、この心地良い自然をつくったのではないだろうか。その谷間の人里には、以前の自然と人との関係が、ほのかに残っているように感じられ、コントロールできないという前提の下での、自然への人為とはどのようなものなのか、模索したいと思う。

Nirvana

伊藤若冲(1716 – 1800)は、近世日本の絵師の一人。江戸時代中期の京都にて活躍した。若冲は、画面全体を数万もの升の形に区切って升目ごとに彩色する、『升目画』という特異な表現方法を残している。本作品は『鳥獣花木図屏風』や『樹花鳥獣図屏風』をモチーフにしている。
升目画は、どこかコンピュータの機能的制約から生まれたピクセルアートに通ずるところがある。若冲の升目画は、西陣織(京都西陣で織られる伝統的高級絹織物)の制作工程の工業的制約か、もしくは、それに触発されて描かれたのではないかという説がある。ピクセルアートも機能的制約で生まれたが、機能的制約がなくなった現在でも、表現のひとつとして愛されている。升目画に、直感的に感じるデジタル感とは、そんなところではないかと思っている。升目画は、ひとつの升目ごとに何種類かの色彩を使って四角の中に模様を描いており、印象主義や点描主義よりも以前から、視覚混合の光学現象を意識して表現しているかのように思える。
 
本作は、仮想の三次元空間上で動植物を立体物として動かし、その空間を「超主観空間」によって映像作品にしている。
そして、三次元空間上の色を、画面の升目ごとに、升目の中の何重にも描かれた模様によって分割し、彩色している。たとえば、ある升目の模様が赤と青で彩色されていたら、その部分は三次元空間上では紫だった部分である。
画面の升目が固定されたまま空間は動いていくので、升目内の彩色は空間とは違う時間軸でうごめく。遠くで全体を見た時、視覚混合による鮮やかな色彩は、遅い時間軸で動いていく空間の動植物の世界。近くで凝視した時、升目ごとに細かく描かれた模様によって分割された色彩は、速い時間軸で変化していく世界。ふたつの時間軸が共存する。
 
部分によっては、升目が升目内のもっとも多い色で塗りつぶされ、抽象的な世界を構成する。動植物は空間上で動くが、画面内で固定化された升目によって抽象化される。ピクセルアートとはまた違う新たな視覚表現をつくっている。
また、空間上で動いている立体の動植物を、三次元の固定化された升目で抽象化した新たな視覚表現の立体升目画のアニメーションも織りまぜている。

Learn & Play! Future Parks

グラフィティネイチャー - 鼓動する山と谷、レッドリスト / Graffiti Nature - Beating Mountains and Valleys, Red List

鼓動する山と谷は、立体的な地形でできており、視覚による認識と身体による認識が分離され、うごめいている。
みんなが描いた様々な生き物たちが、鼓動する山と谷に生息している。紙に生き物の絵を描くと、描いた絵に命が吹き込まれ、目の前に現れ動き出す。
生き物たちは、他の生き物を食べたり、他の生き物に食べられたりしながら、共に1つの生態系をつくっている。あなたが描いて生まれた生き物は、他の生き物を食べると増えていく。逆に、しばらく他の生き物を食べられないと死んでいなくなる。また、他の生き物に食べられるといなくなる。
サンショウウオはヘビを食べ、ヘビはトカゲを食べ、トカゲはカエルを食べ、カエルは蝶を食べそれぞれ増えていく。また、蝶は、花が咲いている場所で増えていく。花は、人々がじっとしているとその場にたくさん咲いていく。逆に、人々が踏んで歩き回ると散ってしまう。そして、サンショウウオは、人にたくさん踏まれると死んでしまう。
生き物たちは増えたり減ったりしながら、この世界に広がっていく。あなたが描いた生き物も、どこかで増えているかもしれない。探してみよう。
レッドリスト(Red List)とは、国際自然保護連合による、絶滅の危機を調べた生物種のデータベース。この作品には、絶滅のおそれがある生き物をはじめ、レッドリストに登録されている様々な野生生物が登場する。

Related Exhibition

うつろいろ / UTSUROIRO

水墨空間
西洋で発達した科学というものは、客観と合理性のみをその対象としてきた。主観的なもの、非合理的なもの、身体的なもの、好き嫌いの感情などは、科学から は長らく無視されてきた。それらは科学の取り扱うべきものではないとされたのである。その客観と合理性のみの追求の結果、西洋の文明は、他の文明を圧倒す る成功を収めたが、21世紀初頭の現在、それは明らかな行き詰まりを迎えている。

私たちはこのように考える。行き詰まるのは当然である。なぜなら、実際に人間の生きている世界は、科学が無視した主観的なもの、身体的なものこそ が、その9割程度を占めているからだ。それなのにその領域は、科学が無視してきたため、例えば芸術家やクリエイターの、個人的な霊感と努力のみに委ねられ ている。主観は、科学にとっては、未開拓の荒野として残されているのである。

主観は果たして科学の対象とならないのであろうか。そうではない、と私たちは考える。例えば日本画、その中でも例えば水墨画は、客観的世界とは大い に異なった、主観による極めて抽象的な表現だが、数々の優れた作品が存在し、多くの人が同じように感動する。感動に人を問わない共通性があるなら、そこに は何らかの法則があるはずだ。法則があるなら、それは科学とテクノロジーによって、探究・再現が可能のはずだ。

こういう思考の元に、私たちは、水墨画の美を3DCGというテクノロジーで分析・再現することを試み、そしてこの作品という一つの結果を得た。

私たちは主張する。西洋の文明は行き詰まったが、科学そのものはまったく行き詰まっていない、主観という手つかずの沃野が、まさに目の前に広がって いるのだ、と。つまりこの作品は「主観こそが現代科学の切り開くべきフロンティアだ」という、私たちの高らかなマニフェストなのである。

永らく続いた客観主義に基づいた世界の捉え方は、行き詰まりを感じている。ではどうやって世界を捉えればいいのか?客観主義による行き詰まりを乗り 越えるヒントを、実は、我々の先代達は、持っていたのではないか?そう考えて、そこを模索してみようと思ったのが、このプロジェクトのはじまりである。

日本の先人達は、特有の美術表現で、3次元空間を2次元の平面に落としこんで来た。3次元空間を2次元に落とすということは、数学的に言えば、情報 量を圧縮することである。西洋では、遠近法に代表されるように、客観的な法則で、空間を2次元で表現した。しかし、日本の先人達は、客観的な手法ではな く、極めて主観的な手法で、2次元平面に圧縮してきたように思えるのだ。その最も圧縮度合いが高いのが、墨絵であるように思っている。墨絵とは、そう、極 めて、主観的な人間の力によって、究極まで、圧縮された空間なのである。

空間を主観的に圧縮したということは、そもそも人間は、世界を主観的に捉えていたことを、われわれの先代達は、知っていたのだろう。それが、いつの まにか、西洋の客観的世界観が、まるで全てのようになり、我々の世界は、頭で考える理性的客観的世界と体で感じる感情的主観的世界が分離し始めたのだ。過 去に回帰しようと言うわけではない。全ての文明と科学の発展を肯定した上で、分裂した世界をもう一度、統合的なものにする、チャレンジなのである。
世界を人がどのように主観的に圧縮したのか、そもそも、そこまで圧縮された表現、大胆でかつシンプルな線で、そもそもなぜ、人々は、躍動感や、世界観を感じることができるのか、
そこに、一定の法則は、あるのか?

コンピューター上で作った仮想な3次元空間を、テクノロジーを使って、墨絵と感じるような美術表現を作るということは、その構造を知るヒントになるかもしれない。それは、従来の客観的視点に立って発展してきたテクノロジーへの新たなチャレンジである。

来場案内

会場情報

チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地

会期

2017.11.23(木) - 2018.03.04(日)

時間

10:00-18:00 ※観覧券の販売は17:30まで

休み

11/27(月)、12/11(月)、12/25(月)、12/29日(金)~1/2(火)、1/15(月)、1/29日(月)、2/5(月)、2/19(月)

料金

前売り: 一般のみ 1,200円、当日券: 一般 1,400円、大学・高校生: 1,200円、団体券: 一般 1,200円、大学・高校生: 1,000円
※金額はすべて消費税込み。中学生以下無料。団体料金は、有料20名様以上。
※障害者手帳・療育手帳をお持ちの方は無料です。受付で手帳をご提示下さい。

展覧会

チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地 

協力

ぺんてる、王子ネピア

関連展示

会期: 2017/11/23-2018/3/4時間: 10:00-18:00 ※観覧券の販売は17:30まで
休館日: 11/27(月)、12/11(月)、12/25(月)、12/29日(金)~1/2(火)、1/15(月)、1/29日(月)、2/5(月)、2/19(月)
※「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地 」開催期間に準ずる。
会場: Befcoばかうけ展望室(〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5−1 ホテル日航新潟)
料金: 無料
協力: 栗山米菓(新潟せんべい王国) 

アクセス

住所

新潟県立万代島美術館
新潟市中央区万代島5-1 万代島ビル5階
アーティスト
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チームラボ
アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。 チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。 チームラボの作品は、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、オーストラリア国立美術館(キャンベラ)、アモス・レックス(ヘルシンキ)、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)などに収蔵されている。 teamlab.art Biographical Documents teamLab is represented by Pace Gallery, Martin Browne Contemporary and Ikkan Art.

主催

新潟県立万代島美術館、TeNY テレビ新潟、チームラボ新潟展実行委員会

協賛

清水フードセンター

後援

新潟市、新潟市教育委員会、新潟県小学校長会・中学校長会・特別支援学校長会、新潟県高等学校長協会、読売新聞新潟支局、NCV新潟センター、エフエムラジオ新潟、FM PORT 79.0、FM KENTO、ラジオチャット・エフエム新津、エフエム角田山ぽかぽかラジオ、エフエムしばた、燕三条エフエム放送株式会社