水面に浮かぶランプは、それぞれ自律し浮遊している。人がランプの近くで立ち止まっていると、もしくは風に吹かれて傾くと、強く輝き音色を響かせる。そのランプの光は、隣のランプに次々伝播し、音色を響かせながら、連続していく。伝播していく光は、必ず、全てのランプを一度だけ強く輝かせ、全てのランプに伝播する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を感じるだろう。
光は、伝播していく距離の合計が最短になるように伝播する。つまり、ランプの光は、全てのランプを1度だけ通る最短の一本の光のラインとなる。浮遊するランプは、それぞれ刻々と場所を変えていく。伝播する光の距離の合計が常に最短となるため、同じランプが起点となって輝きはじめても、光の経路は刻々と変わっていく。
ランプは、風が静かで人々が近くにいない時、ゆっくりと明滅をはじめる。
ランプシェードは、ムラーノ・ガラス(ベネチアン・グラス)で制作した。