好文亭の目の前に広がる庭園の松や霧島つつじ、どうだんつつじが光り輝く。
木々の光は、それぞれ自律しており、ゆっくりと明滅している。
木々の光は、人々が近くで立ち止まると、光の色を変え、色特有の音色を響かせる。そして、その木々の光は、放射状に木々に伝播し、同じ色に変化し音色を響かせながら、変化していく。木々の奥から光が押し寄せてくれば、向こうの方に人がいることを意味する。人々はきっと、同じ空間にいる他の人々の存在を普段より意識するだろう。
これらつつじの中には、江戸時代に植えられたという、樹齢約300年の霧島つつじがある。薩摩藩から寄贈されたと言われており、原産地の霧島山では準絶滅危惧種に指定され、全国的にみても古木の数は少ない。偕楽園は、江戸後期(1842年)の開園であるため、すでに樹齢80年を迎えていたつつじを植えたことになる。