チームラボ 世界は暗闇からはじまるが、それでもやさしくうつくしい | teamLab / チームラボ

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2019.04.20(土) - 06.16(日)兵庫, 姫路市立美術館
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作品

Black Waves: 埋もれ失いそして生まれる / Black Waves: Lost, Immersed and Reborn

1つの連続した波によるインスタレーション(波は展示空間内で一筆書きのように全て連続して繋がっている)。人々は、他者と共に作品の一部となり、溶け込んでいくことで、自分と他者との境界を連続的なものに変え、そして私たちと世界との、境界のない新しい関係を模索する。
コンピューター上の空間で、三次元上の水の動きをシミュレーションし波を構築している。水は、無数の水の粒子の連続体で表現し、粒子間の相互作用を計算している。そして、水の粒子の挙動で線を描き、三次元上の波の表層に線を描いている。そして、立体的に描かれた線の集合を、チームラボが考える「超主観空間」によって平面化し映像作品にしている。

前近代の日本の絵画では、川や海など水は、線の集合として表現されることが多い。そして、その線の集合はまるで生き物かのようにどこか生命感を感じる。前近代の人々らには、実際、古典的な日本の絵画(川や海などで言うならば、まるで生き物のように見える線の集合)のように、世界が見えていたのではないだろうか。
「なぜ、前近代の人々が川や海そのものに生命を感じていたかのようなふるまいをしていたのか?」、そして、「なぜ、彼ら自身も自然の一部であるかのようなふるまいをしていたのか?」という疑問へのヒントが、それらの絵画表現の中にあるように感じる。 もし、ビデオカメラで切り取った本物の波よりも、本作の波の方に、より鑑賞者と作品世界との間に境界線がなくなるような、作品世界に入り込むような感覚、もっと大胆に言えば、その線の集合にすら生命体だと感じ、まるで鑑賞者が波に憑依するかのような体験をするならば、前近代的な日本の「世界の見え方」と、そこから発生する「世界に対するふるまい」とのつながりが見えてくる。 自然とは観察の対象ではなく、「自分自身も自然の一部である」と考えていたかのようなふるまいは、単に、かつての人々の見え方が、川や海のような自然の一部を生命体のように見せ、自然の一部にすら憑依させてしまいやすい見え方だったからではないだろうか。つまり、自然と自分との境界がないような感覚になりやすい見え方だったからではないだろうかと思うのだ。

世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う / United, Fragmented, Repeated and Impermanent World

伊藤若冲(1716 – 1800)は、近世日本の絵師の一人。江戸時代中期の京都にて活躍した。若冲は、画面全体を数万もの升の形に区切って升目ごとに彩色する、『升目画』という特異な表現方法を残している。本作品は『鳥獣花木図屏風』や『樹花鳥獣図屏風』をモチーフにしている。升目画は、どこかコンピュータの機能的制約から生まれたピクセルアートに通ずるところがある。若冲の升目画は、西陣織(京都西陣で織られる伝統的高級絹織物)の制作工程の工業的制約か、もしくは、それに触発されて描かれたのではないかという説がある。ピクセルアートも機能的制約で生まれたが、機能的制約がなくなった現在でも、表現のひとつとして愛されている。升目画に、直感的に感じるデジタル感とは、そんなところではないかと思っている。升目画は、ひとつの升目ごとに何種類かの色彩を使って四角の中に模様を描いており、印象主義や点描主義よりも以前から、視覚混合の光学現象を意識して表現しているかのように思える。
本作は、仮想の三次元空間上で動植物を立体物として動かし、その空間を「超主観空間」によって映像作品にしている。そして、三次元空間上の色を、画面の升目ごとに、升目の中の何重にも描かれた模様によって分割し、彩色している。たとえば、ある升目の模様が赤と青で彩色されていたら、その部分は三次元空間上では紫だった部分である。
画面の升目が固定されたまま空間は動いていくので、升目内の彩色は空間とは違う時間軸でうごめく。遠くで全体を見た時、視覚混合による鮮やかな色彩は、遅い時間軸で動いていく空間の動植物の世界。近くで凝視した時、升目ごとに細かく描かれた模様によって分割された色彩は、速い時間軸で変化していく世界。ふたつの時間軸が共存する。
部分によっては、升目が升目内のもっとも多い色で塗りつぶされ、抽象的な世界を構成する。さらに、鑑賞者が作品の前に存在するとき、その近くの升目も同様に塗りつぶされていく。動植物は空間上で動くが、画面内で固定化された升目によって抽象化される。鑑賞者の存在によって、升目画の世界と、升目によって抽象化されて描かれた世界とが混ざりあう。

来場案内

会場情報

チームラボ 世界は暗闇からはじまるが、それでもやさしくうつくしい

会期

2019.04.20(土) - 06.16(日)

時間

10:00 – 17:00 (最終入場 16:30)

※4.27(土)から5.6(月)までは下記
10:00 – 18:00 (最終入場 17:30)

休み

月曜日
※ただし、4.29(月)、5.6(月)は開館

料金

通常券

一般 1,400円

大高生 1,000円

中小生 600円 

未就学児 無料 


団体券(20名以上)

一般 1,200円

大高生 800円

中小生 400円 

未就学児 無料 


チケット販売:

プレイガイド、コンビニエンスストア

チケットぴあ(Pコード: 992-130)

ローソンチケット(Lコード: 53564)

セブンーイレブン

イープラス

CNプレイガイドなどの主要プレイガイド

コンビニエンスストア


姫路市立美術館
当日券のみ販売

アクセス

住所

姫路市立美術館 企画展示室
兵庫県姫路市本町68-25

JR・山陽電車姫路駅より、神姫バス⑦または⑧乗り場から[3、4、5、61、62、64、81、82、84、86番]乗車約8分
「姫山公園南・医療センター・美術館前」下車すぐ。
姫路駅より徒歩約20分。

詳しくはこちら
アーティスト
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チームラボ
アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。 チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。 チームラボの作品は、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、オーストラリア国立美術館(キャンベラ)、アモス・レックス(ヘルシンキ)、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)などに収蔵されている。 teamlab.art Biographical Documents teamLab is represented by Pace Gallery, Martin Browne Contemporary and Ikkan Art.

主催

姫路市立美術館
株式会社神戸新聞
株式会社サンテレビジョン
竹田印刷株式会社

協賛

鹿島建設株式会社

後援

ラジオ関西