伝統的な書を、現代の解釈で、空間に抽象化した。空間に立体的に書いた映像を、さらに、12の掛軸に見立てたディスプレイで、空間に再構築したインスタレーション作品。
遠近法のように空間を見ていなかった日本は、絵画の中だけでなく、現実の空間でも奥行きは異なる方法で構成された。例えば、フランスのベルサイユ宮殿の庭園では、同じ種類・高さの木を規則正しく植えられている。それらが規則的に小さく見えることによって、遠くに向かって連続的な奥行きが強調される。日本の修学院離宮の庭園では、近景、中景、遠景から景色が構成されていて、奥行きは、重なりで構成される。
今回は、さまざまな空間で書を書き、それを、一つの展示空間に合成している。
書が描かれる空間と、展示される空間の様々な関係が、どのような体験を生むかの実験的空間映像作品である。
空書とは、チームラボがここ数年取り組んでいる、空間に書く書。書の墨跡が持つ、深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で空間に立体的 に再構築し、映像にしています。