花と屍 剝落 / Flower and Corpse Glitch
12シーンからなり、「自然と文明の衝突、循環、共生」をテーマにした絵物語。
コンピューター上の3次元空間に立体的に作品世界を構築し、「超主観空間」で映像化している。表面が剥落し、作品の裏側が浮かび上がる。
コンピュータでは、三次元の物体の形状を、網目状の線の構造で記述された抽象的で高次の情報で表現する。つまり、三次元で描かれているものは、その表面を剥ぐと、網目状の線の集合でできている。本作品では、表面を剥ぎ、制作プロセスを垣間見せている。
1:花と屍 剝落 十二幅対 「都と貴族」
栄華極まる都。光源氏は、きらびやかな色彩の中で生活を送っていた
2:花と屍 剝落 十二幅対 「繁栄と厄災」
都で、厄病が流行る。厄病の原因を探るため、光源氏は厄病を辿って、都の外へと旅立つ。
3:花と屍 剝落 十二幅対 「山の民と祭」
厄病を辿ると、山の村へ行き着いた。村では自然の恵みを祝い、祭りが行われていた。
4:花と屍 剝落 十二幅対 「森と日常」
祭りが終わり、日常に戻った村では厄病の影響を受けながらも、人々は果敢に生きていた。人々は木々を切り文明を発展させ、またさまざまな自然の恩恵を受けながら、豊かに暮らしていた。
5:花と屍 剝落 十二幅対 「神木とヤマタノオロチ」
山の村は、都でのさらなる発展のために多くの材木を依頼され、山の奥深くの巨木を切り倒すことになった。巨木を切り倒すと、突如そこからヤマタノオロチが現れる。ヤマタノオロチは怒り狂い、大雨を降らして洪水を起こす。
6:花と屍 剝落 十二幅対 「ヤマタノオロチと森の神々」
山の村の家々をなぎ倒し、暴れまわるヤマタノオロチに続き、森の神々がやってきて次々と人々を襲い始める。
7:花と屍 剝落 十二幅対 「戦場と兵器」
山の村は、武士に依頼し、山の村に武士の集団がやってくる。武士達とヤマタノオロチや森の神々との戦いがはじまる。
8:花と屍 剝落 十二幅対 「勝利と破壊」
武士達は、火矢などの文明を駆使し、激戦の末、武士の集団が勝利を収める。
9:花と屍 剝落 十二幅対 「荒野と飢え」
後に残ったのは燃え尽きた森の残骸。山の村は自然の恩恵を失い、飢えを予期し絶望する。
10:花と屍 剝落 十二幅対 「花と屍」
光源氏は、ヤマタノオロチや森の神々の屍に囲まれ呆然とする。困った光源氏は、ヤマタノオロチの屍に種をまいてみる。そうすると、屍から芽が出て、みるみる花々が咲いていく。その花々は、樹木に成長し、森が作られていく。
11:花と屍 剝落 十二幅対 「森と祭」
山の民たちは、森の恩恵をまた受けることができるようになり、文明を発展させながらも、森と共に生きていく決意をし、山の村ではまた祭りが行われる。
12:花と屍 剝落 「十二幅対 都と祭」
都では厄病が少し落ち着き、原因はよくわからないままだが、めでたいということで祭りが行われる。