「群蝶図」。人々が、ガラスの向こう側にある、展覧会場の外側の空間を通る時、群蝶が人々の足元から生まれる。群蝶は空間の中を舞い、ガラスの境界を超越し、展覧会場内の空間に入ってくる。群蝶は人々が触れると死んでいく。
ガラスの向こう側の空間に人々が存在しなければ、この空間は真っ暗で何も存在しない。
作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることなく、人々のふるまいの影響を受けながら、永遠に変化し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。