Living Knitted Sculpture
編みの起源は古く、旧石器時代にまでさかのぼると言われており、最初期の編み細工は、1本の連続した糸を編んで作った網です。今回は「かぎ編み」という方法を用いています。一つとして同じものはありません。1本の連続した糸を丁寧に手編みした網に《Floating Flower Garden》で咲いていたバンダというランを結びつけて、そのまま育てることができます。
バンダは土の上では育たず、高い木の上に住み着いて育ちます。花言葉は、「身軽」や「個性的」。網と一体となったバンダは、身軽なので、自由に空中に置いてください。生命力溢れる根が、空中から水分を吸収します。
編まれた網とバンダは一体となって、一つの彫刻になります。そして、それは日々成長していきます。作品の一部が、新たな場所に広がり、生きた彫刻となるのです。
生命力溢れるバンダは、うまく育てると、年に数回「華やかな恋」と呼ばれる花を咲かせ、根を含めて2m近くになっていきます。バンダは、50年以上生きるとも言われ、新たな株が生まれていくことにより、永遠に生きるかもしれません。
How to grow this orchid
・育て方
この作品は、アーティストのMASAKO.YとニットデザイナーのHana Minowaとのコラボレーション作品です。
MASAKO.Y
オーストラリア、ニューヨーク、ロンドンに単身留学。 2018年から東京を拠点にアーティストとして活動を開始。 豊富な修学経験から、彫刻や絵画などの美術作品の他、空間デザイン、衣装、広告、プロダクトデザインなど幅広く活躍。100%アクリル絵の具のみで金屏風を発表するなど、母国・日本の文化的な歴史を再考しながら、現代における新しい表現の拡張に傾注。
現在、コンセプチュアルアート施設「SANSUI」を建設中。
Hana Minowa
ロンドンを拠点に活動するニッター、テキスタイルアーティスト。ニットウェアのもつ彫刻的な性質を探究したいという思いから、ロンドン芸術大学セントラル セント マーチンズに進む。巧みに操られた一本の撚り糸から生まれる質感と構造の無限の可能性に特別な関心を抱き、様々な番手の毛糸や繊維、技巧の実験を通じて、自身の作品に影響を与える共通のテーマである時間、記憶、痕跡を表現している。