ランプがランダムに配置されたかのように見えるこの作品は、鑑賞者と他者の関係性に影響を受けながら、連続していく光の作品であり、連続性の美、つまり、連続していることそのものの美しさを表現した作品である。
人がランプの近くで立ち止まり、じっとしていると、最も近いランプが強く輝き音色を響かせ、光はそのランプから最も近いランプに伝播する。伝播した光は、最も近いランプに伝播し連続していく。光は、常に最も近いランプに連続するだけで、それぞれのランプを1度だけ通り、全てのランプを通る1本の光の軌跡になる。そして、自分から生まれた光と、他者から生まれた光は、交差していく。
ランダムに見えるランプの配置は、人々の存在によって生まれる光が連続していく配置であり、連続していることそのものの美しさのための配置である。
具体的には、それぞれのランプから3次元上で最も距離が近い球体に線を引いたときに、始点と終点が同じの一筆書きできる1本のつながった線(unicursal)になるように、そして、光の軌跡となるその線が美しくなるように空間上のランプの配置を数学的に求めている。
その結果、人に呼応したランプの光は、最も近いランプに伝播しているだけにも関わらず、一筆書きのように、必ず1度だけしか通らず、全てのランプを通る。そして同時期に他者が生んだ光と交わる。人々が自由な場所で球体と関係して生まれる光の、連続性の美の作品である。