群蝶は、ディスプレイの中に越境し、そして、部屋からも出て、作品の境界を越境し、他の作品の中を飛び回る。他の作品の中をシームレスに飛ぶことによって、作品のフレームという概念を解き放ち、作品間の境界をあいまいにしていく。そして、群蝶は他の作品の影響を受けながら飛ぶ。
この展覧会内には、人々が生んだ蝶だけが飛んでいる。人々が生んだ蝶よりも、人々によって死んだ蝶の方が多ければ、この作品はなくなってしまう。
この作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として、以前の状態が複製されることなく、人々のふるまいや他の作品の影響を受けながら、変容し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。