teamLab IsLands: Dance! Art Museum, Learn & Play! Interactive Theme Park | teamLab / チームラボ

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2016.05.01(日) - 07.31(日)バンコク, CentralWorld
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作品

花と人、コントロールできないけれども共に生きる – A Whole Year per Hour / Flowers and People, Cannot be Controlled but Live Together – A Whole Year per Hour

空間には複数の季節が同時に存在し、それらがゆっくりと移り変わっていく。
花々は、移り変わっていく季節に合わせて、生まれる場所がゆっくりと移り変わっていく。

花々は生まれ、成長し、つぼみをつけ、花を咲かせ、やがて散り、枯れて、死んでいく。つまり、花は誕生と死滅を、永遠に繰り返し続ける。 人々がじっとしていれば、その付近の花々は普段より多く生まれ、咲き渡る。人々が花にふれたり、踏むと、いっせいに散って死んでいく。

時に、他の作品の境界を越え、他の空間に咲きわたるが、他の作品の影響で散ったり、死滅したりする。

春、国東半島の里山に訪れた際、山の中の桜やふもとの菜の花を見ているうちに、どこまでが人が植えたものなのか、どこまでが自生している花々なのか疑問に思った。そこは多くの花に溢れ、非常に心地よい場所だった。そして、その自然が、人の営みの影響を受けた生態系であることを感じさせる。どこまでが自然で、どこからが人為的なのか、境界が極めてあいまいなのだ。つまり、自然と人間は対立した概念ではなく、心地良い自然とは、人の営みも含んだ生態系なのであろう。そして、近代とは違った、自然に対して、人間が把握したり、コントロールしたりできないという前提の自然のルールに寄り添った人の長い営みこそが、この心地良い自然をつくったのではないだろうか。その谷間の人里には、以前の自然と人との関係が、ほのかに残っているように感じられ、コントロールできないという前提の下での、自然への人為とはどのようなものなのか、模索したいと思う。

追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点 / Crows are chased and the chasing crows are destined to be chased as well, Division in Perspective – Light in Dark

7画面を立体的に配置したデジタルインスタレーション。

コンピュータ上の三次元空間に立体的に構築した世界を、我々が考える日本の先人達の空間認識の論理構造「超主観空間」によって、平面化し映像化にしている。 光の八咫烏が空間を飛び回り、その軌跡が光跡となり光の空間に描く書『空書』を描いている。烏が空中を互いに追い追われつつ、花となって散っていく。

日本のアニメが生んだ表現のひとつに、アニメーター板野一郎によって確立された「板野サーカス」というものがある。画面いっぱいに埋め尽くすほど大量に発射されたミサイル群が、まったく正しくないパースペクティブで描かれた(より人間がダイナミックさや迫力を感じるようにデフォルメされて描かれた)空間を乱れ飛ぶさまを、超高速のカメラワークによる視点の回り込み演出による映像美であるとされ、80年代以降のアニメーション表現に大きな影響を与えた。

本作品は、板野サーカスをオマージュし、二次元のアニメーションで行われていた空間のデフォルメを三次元空間で再現することによって、日本のアニメーター達が生んだデフォルメされた空間とは、どのような空間認識の論理構造であるか、それらは伝統的な日本の空間認識の連続性の中にあるのではないかという仮説の模索である。そして、デフォルメされた空間を三次元空間で再現することによって、平面化した時自由に横に広げ、実際の現実空間に再構築することを試みている。そして平面を分割し、分割された平面を現実空間に立体的に配置することによって、どのような体験になるかという実験でもある。

Nirvana

伊藤若冲(1716 – 1800)は、近世日本の絵師の一人。江戸時代中期の京都にて活躍した。若冲は、画面全体を数万もの升の形に区切って升目ごとに彩色する、『升目画』という特異な表現方法を残している。本作品は『鳥獣花木図屏風』や『樹花鳥獣図屏風』をモチーフにしている。
升目画は、どこかコンピュータの機能的制約から生まれたピクセルアートに通ずるところがある。若冲の升目画は、西陣織(京都西陣で織られる伝統的高級絹織物)の制作工程の工業的制約か、もしくは、それに触発されて描かれたのではないかという説がある。ピクセルアートも機能的制約で生まれたが、機能的制約がなくなった現在でも、表現のひとつとして愛されている。升目画に、直感的に感じるデジタル感とは、そんなところではないかと思っている。升目画は、ひとつの升目ごとに何種類かの色彩を使って四角の中に模様を描いており、印象主義や点描主義よりも以前から、視覚混合の光学現象を意識して表現しているかのように思える。
 
本作は、仮想の三次元空間上で動植物を立体物として動かし、その空間を「超主観空間」によって映像作品にしている。
そして、三次元空間上の色を、画面の升目ごとに、升目の中の何重にも描かれた模様によって分割し、彩色している。たとえば、ある升目の模様が赤と青で彩色されていたら、その部分は三次元空間上では紫だった部分である。
画面の升目が固定されたまま空間は動いていくので、升目内の彩色は空間とは違う時間軸でうごめく。遠くで全体を見た時、視覚混合による鮮やかな色彩は、遅い時間軸で動いていく空間の動植物の世界。近くで凝視した時、升目ごとに細かく描かれた模様によって分割された色彩は、速い時間軸で変化していく世界。ふたつの時間軸が共存する。
 
部分によっては、升目が升目内のもっとも多い色で塗りつぶされ、抽象的な世界を構成する。動植物は空間上で動くが、画面内で固定化された升目によって抽象化される。ピクセルアートとはまた違う新たな視覚表現をつくっている。
また、空間上で動いている立体の動植物を、三次元の固定化された升目で抽象化した新たな視覚表現の立体升目画のアニメーションも織りまぜている。

花と屍 剝落 十二幅対 / Flower and Corpse Glitch Set of 12

12幅からなり、「自然と文明の衝突、循環、共生」をテーマにした絵物語。

コンピューター上の3次元空間に立体的に作品世界を構築し、「超主観空間」で映像化している。表面が剥落し、作品の裏側が浮かび上がる。

コンピュータでは、三次元の物体の形状を、網目状の線の構造で記述された抽象的で高次の情報で表現する。つまり、三次元で描かれているものは、その表面を剥ぐと、網目状の線の集合でできている。本作品では、表面を剥ぎ、制作プロセスを垣間見せている。

1:花と屍 剝落 十二幅対 「都と貴族」
栄華極まる都。光源氏は、きらびやかな色彩の中で生活を送っていた。
2:花と屍 剝落 十二幅対 「繁栄と厄災」
都で、厄病が流行る。厄病の原因を探るため、光源氏は厄病を辿って、都の外へと旅立つ。
3:花と屍 剝落 十二幅対 「山の民と祭」
厄病を辿ると、山の村へ行き着いた。村では自然の恵みを祝い、祭りが行われていた。

4:花と屍 剝落 十二幅対 「森と日常」
祭りが終わり、日常に戻った村では厄病の影響を受けながらも、人々は果敢に生きていた。人々は木々を切り文明を発展させ、またさまざまな自然の恩恵を受けながら、豊かに暮らしていた。

5:花と屍 剝落 十二幅対 「神木とヤマタノオロチ」
山の村は、都でのさらなる発展のために多くの材木を依頼され、山の奥深くの巨木を切り倒すことになった。巨木を切り倒すと、突如そこからヤマタノオロチが現れる。ヤマタノオロチは怒り狂い、大雨を降らして洪水を起こす。

6:花と屍 剝落 十二幅対 「ヤマタノオロチと森の神々」
山の村の家々をなぎ倒し、暴れまわるヤマタノオロチに続き、森の神々がやってきて次々と人々を襲い始める。

7:花と屍 剝落 十二幅対 「戦場と兵器」
山の村は、武士に依頼し、山の村に武士の集団がやってくる。武士達とヤマタノオロチや森の神々との戦いがはじまる。
8:花と屍 剝落 十二幅対 「勝利と破壊」
武士達は、火矢などの文明を駆使し、激戦の末、武士の集団が勝利を収める。
9:花と屍 剝落 十二幅対 「荒野と飢え」
後に残ったのは燃え尽きた森の残骸。山の村は自然の恩恵を失い、飢えを予期し絶望する。

10:花と屍 剝落 十二幅対 「花と屍」
光源氏は、ヤマタノオロチや森の神々の屍に囲まれ呆然とする。困った光源氏は、ヤマタノオロチの屍に種をまいてみる。そうすると、屍から芽が出て、みるみる花々が咲いていく。その花々は、樹木に成長し、森が作られていく。

11:花と屍 剝落 十二幅対 「森と祭」
山の民たちは、森の恩恵をまた受けることができるようになり、文明を発展させながらも、森と共に生きていく決意をし、山の村ではまた祭りが行われる。

12:花と屍 剝落 「十二幅対 都と祭」
都では厄病が少し落ち着き、原因はよくわからないままだが、めでたいということで祭りが行われる。

来場案内

会場情報

teamLab IsLands: Dance! Art Museum, Learn & Play! Interactive Theme Park

会期

2016.05.01(日) - 07.31(日)

開館時間

A.10:00-13:00
B.13:00-16:00
C.16:00-20:00

料金

350 baht *身長80 cm 未満の乳幼児は無料

アクセス

住所

THE SPACE, 3rd Floor, Central World
999/9 Rama I Rd, 10330, Thailand
アーティスト
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チームラボ
アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている。 チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。 チームラボの作品は、ロサンゼルス現代美術館(ロサンゼルス)、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、アモス・レックス(ヘルシンキ)に収蔵されている。 teamlab.art Biographical Documents teamLab is represented by Pace Gallery, Martin Browne Contemporary and Ikkan Art.

共催

BEC-Tero

Co-Sponsors

Snack Jack, Master Art, Air Asia X

Equipment cooperation

Panasonic