The Way of the Sea, Transcending Space - Gold Light, the Nest

teamLab, 2018, Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

The Way of the Sea, Transcending Space - Gold Light, the Nest

teamLab, 2018, Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

空間の中央には、大きな「浮遊する巣」が浮かんでいる。「浮遊する巣」の上で寝転んだり、座ったりして見る作品。

「The Way of the Sea」の魚の群れが「花の森」を超えて、「浮遊する巣」(巣が浮かぶ空間)に入ってくると、この作品ははじまる。魚の群れが空間を出てていき、いなくなると、作品は終わる。

「浮遊する巣」に寝転ぶと、やがて、群の軌跡が描く線が空間に立体的に描かれはじめ、作品世界に身体ごと没入し、人々は身体と作品世界との境界をも失っていくだろう。

光で描かれた魚群が空間を自由無礙に泳ぎ、その軌跡が光跡となり、空間に線を描いている。

この作品はチームラボの「鳥道」という作品のシリーズである。禅に「鳥道」という言葉がある。鳥の行く道は、人間の「道路」のように固定したものではなく、自由無礙なこと、そして跡を残さないことを意味する。

数千から数万の魚の群れの動きは、美しく神秘的で、まるで一つの巨大な生命体のようにも見える。群れには、リーダーもいなければ意思疎通もなく、となりの仲間が動くと自らも動くというような単純な規則で動いているとされている。しかし、数百匹の群れでほぼ同時に起こることの生理学的なメカニズムは謎に包まれている。そこには、人間がまだ理解していない普遍的原理の存在があるかのように感じる。何にせよ、群れによる彩色には、全体としての意思はない。人々の存在の影響を受けながら、一匹一匹がプリミティブな規則で動くことで、平面は、意図のない複雑で美しい彩色となる。

作品はコンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として、以前の状態が複製されることなく、変容し続ける。今この瞬間の絵は二度と見ることができない。