動物が住まうオフィス / An Office Where Animals Live

teamLab, 2017

動物が住まうオフィス / An Office Where Animals Live

teamLab, 2017

エントランスにある滝は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けておりあらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。全体として以前の状態が複製されることもない。今この瞬間の滝は、二度と見ることができない。この滝は、普段はエントランスとその他のスペースとの目隠しの役割として存在している。

普段のエントランスは、エントランスから他のスペースが見えない。

しかし、滝に人が近づくと、滝は割れて、滝の向こう側、つまり、他のスペースが見えるようになる。他のスペースを見たいと思って近づいで覗いたときにだけ、滝は割れて、滝の向こう側が見えるようになるのだ。人の行動に応じて、滝の壁は、不透明な壁でもあり、透明な窓にもなり得る。つまり、デジタルテクノロジーにより、人の動きに連動し、エントランスはどんどん変化し、必要なときだけ、周りの環境とリンクすることを可能にしているのだ。


また、エントランスの先には、ジャングル(「動物が住まうオフィス」)がある。このジャングルは生きている植物で満たされており、同時に、壁には映像で描かれた動物たちが住んでいる。この動物たちもまた、同じ映像が繰り返されるのではなく、プログラムで描かれた、インタラクティブな映像群である。この動物たちの体には、それぞれ、動物ごとに季節の花が咲いている。例えば、キリンには、ひまわりが咲いている。会社の訪問者は、目的の会議室まで、動物たちによって案内される。動物たちの体を触ると、体に生えている花は散り、それぞれの鳴き声をあげて、反応する。そして、目的の会議室に到着した動物は、体に咲いている花を散らし、到着したことを訪問者に告げるのだ。動物は、会議が終わるまで、会議室の扉の前で留まっている。そして、会議が終わると、また、どこかに去っていく。

通路は、一見、すべて壁に見えるが、訪問者を会議室へと案内したときにだけ、それぞれの動物の名前が冠された部屋の名前と、扉として押すことのできる位置が光で表示される。つまり、壁の機能は、扉へと変化します。

テクノロジーにより、必要なときだけ、扉は扉として表示され、それ以外のときは、ジャングルの環境を演出しているのだ。